放送番組編集基準

放送番組編集基準

平成 25 年 6 月 26 日制定
株式会社エフエム御殿場

前 文

 株式会社エフエム御殿場(以下、エフエム御殿場)は、コミュニティ放送局として、地域社会の公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に役立ち、快適で安全で暮らしやすい地域社会の実現に寄与することを使命とする。

 エフエム御殿場は、この自覚に基づき、民主主義の精神に従い、基本的人権と世論を尊び、言論及び表現の自由を守り、法と秩序を尊重して、地域社会の信頼に応える。

 これらを実践するため、エフエム御殿場は放送番組編集の基本方針、番組別編集方針、広告基準の3基準を定め、すべての放送番組及び広告の企画制作に当たって、これを守ることとする。

 

 

1.基本方針

この基準はすべての放送番組及び広告に適用される。

1)人種、民族、国民、国家、国情に関する資料の取り扱いは慎重を期し、特に、客観的で権威あるものを使用する。

2)個人、団体、職業、産業に対する中傷的言辞、名誉と信用を傷つけるような内容または表現を避ける。

3)国民生活に重大な影響を及ぼす社会公共問題については慎重を期し、意見が対立している場合は、公平に取り扱い、その出所を明らかにする。

4)人心に不当な動揺や不安を与えるような内容または表現を避ける。

5)特に、経済界に混乱を与えるおそれのある問題は慎重に取り扱う。

6)法律や社会正義にそむく行為に共感を起こさせたり、或いは他人に模倣の意欲を起こさせたりするような取り扱いをしない。

7)公の秩序や善良な風俗に反する行為、習慣を是認するような取り扱いをしない。

8)結婚制度と家庭生活を尊重し、これを破壊するような思想を肯定的に取り扱わない。

9)政治に関しては、不偏不党、公正に取り扱う。

10)宗教に関しては、信仰の自由を尊重し、各宗教の立場を重んじ公正に取り扱う。

 

 

2.番組別編集基準

この基準は、次の各番組について、特に守るべき事項を示す。

 

(1)情報番組

情報番組とは、地域社会住民にとって有益な生活な情報を、タイムリーに提供する番組を指す。コミュニティ放送局であるエフエム御殿場にとって、この情報番組は局の基幹となる番組であり、情報の正確性と情報鮮度に留意し、番組編集を行う。また、御殿場市には多くの観光施設、商業施設があり、市内外から多くの人が訪れる。この人たちに対しタイムリーな観光情報、イベント情報提供を行う。

① 情報源の明確でないものは伝えない。リスナーからの情報提供については、有用と認めた場
合、リスナーからの情報提供であることを加えて放送する。

② 対象者を否定する内容の情報は伝えない。

③ 情報が販売促進的であったり、PR的であっても、その情報提供が地域社会住民、及び御殿場市を訪れる人たちにとって有益と判断するものは、情報として提供する。

④ 情報源が新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、出版物等の場合、その情報源を明らかにする。

⑤ 情報の誤報は速やかに取り消し、または訂正する。

 

(2)報道番組

報道番組とは、時事に関する速報、説明、解説、または意見を取り扱う番組を指す。

① ニュースおよびニュース解説は、すべての干渉を排し事実を客観的かつ正確公平に取り扱う。

② ニュースの表現は、残虐、悲惨等の感情を極端に刺激しないように注意する。

③ ニュースおよびニュース解説、実況中継は、不当な宣伝に利用されないように特に注意する。

④ ニュースの中で意見を取り扱う時は、事実と意見(主観)を厳密に区別する。

⑤ ニュースの解説は、ニュースと厳密に区別し、放送者の氏名を明らかにする。

⑥ ニュースの誤報は、速やかに取り消し、または訂正する。

 

(3)教養番組

教養番組とは、地域社会住民の一般的教養の向上を目的とする番組を指す。

① 制作意図に反して、聴取者に好ましくない印象を与えることのないように注意する。

② 社会に悪影響を及ぼす模倣を容易に誘発しないように注意する。

③ 宗教番組では、他宗、他派を誹謗しない。(原則、宗教番組は制作しない)

 

(4)教育番組

教育番組とは、学校教育または、社会教育および家庭教育のための番組を指す。

① 教育番組は、広く意見を取り入れ、聴覚の特性を生かして教育的効果を発揮する。

② 教育番組は、その放送の対象とするものが明確で、有益適切であり組織的かつ継続的であるようにする。

③ 教育番組は、その放送の計画および内容を予め地域社会住民が知ることができるようにする。

④ 学校向けの教育番組については、その内容が学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠するようにする。

⑤ 学術研究等専門的事項に関しては、番組基準の諸規定に係わらず、良識に基づいて具体的または詳細に扱うことができる。

⑥ 学校向けの教育番組には、学校教育の妨げになると認められる広告を含めない。

 

(5)児童番組

児童番組とは、児童の心理に与える影響を考慮し、児童の健全な常識と豊かな情操を養う番組を指す。

① 児童の品性を損なうような言葉や粗野な表現は避ける。

② 児童が感化されやすい悪徳行状の取り扱いには特に注意する。

③ 男女間の愛情や性愛の問題は、その内容と児童の年齢を考慮し、慎重に取り扱う。

④ 外国作品を取り上げる時は、時代、国籍、伝統、習慣等の相違を考慮し、慎重に取り扱う。日本の古典についても同様である。

 

(6)娯楽番組

娯楽番組とは、健全な憩いを提供して、生活内容を豊かにする番組を指す。

① 不快な感じを与えるような下品、卑猥な表現や言葉は使わない。

② 方言を使う時には、不快な感じを与えないように注意する。

③ 肢体不自由、疾病など肉体的、精神的欠陥に悩む人々の感情を刺激しないように注意する。

④ 犯罪の手口を明示または解説するときは、故意に犯罪を魅力的に表現したり、模倣の意欲を起こさせるような描写はしない。

⑤ 凶器の表現はなるべく少なくし、模倣の動機を与えないように努める。

⑥ 犯罪容疑者の逮捕、尋問方法および訴訟の手続きや法廷の描写などは正しく表現する。

⑦ 殺人、拷問、暴力、私刑等の残虐行状、その他肉体的、精神的苦痛を誇大または刺激的に表現しない。

⑧ 女性および児童の虐待または人身売買を是認するような表現、またはその詳細な描写を避ける。

⑨ 麻薬および覚醒剤の表現は、医療および悪癖としての表現以外は避ける。

⑩ 心中、自殺、その他人命を軽視する言動を是認するような取り扱いはしない。古典または芸術作品についても慎重を期する。

⑪ 性犯罪、変態性欲等の取り扱いは避ける。

⑫ 性心理に関する描写または表現は、性に未熟な聴取者を考慮して慎重に取り扱う。

⑬ 肉体描写、寝室描写等官能的な素材を取り扱う時には、刺激的な表現を避ける。

⑭ 聴取者参加番組については、参加の機会を均等にし、広く聴取者一般に及ぶように努める。

⑮ 聴取者参加番組の審査は、出演者の技能によって公正に期する。

⑯ 聴取者参加番組は、単に報酬や賞品によって過度に射幸心を刺激する事のないように注意する。

 

 

3.広告基準

この基準は、広告放送に適用される事項を示す。

 

(1)広告放送の明示

広告放送は、コマーシャル・メッセージまたは、放送局の告知によって、広告放送であることを明らかにする。

 

(2)コマーシャル・メッセージの定義

コマーシャル・メッセージとは、直接、間接に広告主の名称、商品名、サービス名、商標、標語等を聴覚的に提示して、聴取者の注意を引こうとするものを指す。

 

(3)コマーシャル・メッセージの責任

コマーシャル・メッセージは、全て事実を伝え、誠意を守ると共に関係法令に従い、責任を負い得るものとする。

 

(4)番組との調和

コマーシャル・メッセージは、その種類に応じ番組の聴取効果を考慮して当該番組、前後番組の内容とよく調和するように努める。

 

(5)コマーシャル・メッセージの種類

コマーシャルの種類は、プログラム・コマーシャル、パーティシペーティング・コマーシャル、スポット・コマーシャルおよび案内コマーシャルとする。

① プログラム・コマーシャル(Program Commercial)とは、番組の提供スポンサーが番組の提供時間内に挿入する、規定された量のコマーシャルを言う。

② パーティシペーティング・コマーシャル(Participating Commercial)とは、PT と略称し、番組時間内に設けられたコマーシャルを言う。

③ スポット・コマーシャル(Spot Commercial)とは、番組に関係なく、番組と番組の間(ステーションブレーク、ステブレと略称)に放送するコマーシャルを言う。

④ 案内コマーシャルとは、一般に案内またはガイド等の名称で呼ばれ、ステーションブレーク以外で局が編成する時間枠に集中して放送するコマーシャルを言う。

 

(6)コマーシャル・メッセージの量

① プログラム・コマーシャルは、次の限度を超えないものとする。

5 分番組 1 分 00 秒
10 分番組 2 分 00 秒
15 分番組 2 分 30 秒
20 分番組 2 分 40 秒
25 分番組 2 分 50 秒
30 分番組 3 分 00 秒
30 分以上の番組 10%

 

(ア) 番組内で広告を目的とする言葉、音楽、効果、シンギング・コマーシャル(メロディだけの場合も含む)、その他お知らせなどは、コマーシャルとする。

(イ) 共同提供、タイアップ広告などは、プログラム・コマーシャルの秒数に算入する。

② パーティシペーティング・コマーシャルの1番組に含まれる秒数の標準は次の通りとする。

10 分番組 2 分 00 秒
15 分番組 2 分 30 秒
20 分番組 2 分 40 秒
25 分番組 2 分 50 秒
30 分番組 3 分 00 秒

③ 案内コマーシャルは次のように定める。

毎時 55 分から 59 分までの 4 分間を基本枠とし、その他の場合も含めて1週間のコマーシャルの総放送時間 18%以内で設定する。

①②③におけるコマーシャル量の標準の音節数は、以下の通りである。ただし、音楽、音響効果などを使用する場合も、コマーシャル時間の一部とする。

 

スポットの種類 音節数 字数
5 秒 31 音節 25 字
10 秒 63 音節 50 字
20 秒 125 音節 100 字
30 秒 190 音節 150 字
40 秒 255 音節 200 字
60 秒 380 音節 300 字

(ア) 1 音節とは、文節の各語を仮名で書いた場合の 1 文字を言う。

(イ) 長音(アー、カーなど)や促音(サッ、ポッなど)は、2 音節とする。
ただし、拗音(キャッ、チュッ、ニャなど)は2文字でも 1 音節と認める。

(ウ) 外来音(ティ、デュ、トゥなど)は 1 音節と認める。

(エ) 休止は、コンマの場合は1音節、ピリオドの場合は2音節とし、改行の場合は3音節とする。なお、台本にコンマやピリオドが記入されていなくても、アナウンス上、休止するのが効果的であると考えられる箇所は、1~3 音節を加える。

 

(7)取り扱わない広告

次に掲げるものは取り扱わない。

① 事実の有無を問わず、他を誹謗し、または排斥中傷するもの。

② 事実を誇張して、聴取者に過大評価させるもの。

③ 聴取者に悪感情を与える恐れのあるもの。

④ 責任の所在が不明なもの、暗号と認められるもの。

⑤ ニュースの内容を変えたり、否定したりするもの。

⑥ ニュースおよびニュース解説の内容と著しく調和を欠くもの。

⑦ 迷信を肯定したり、科学を否定したりするもの。

⑧ 私設の結婚媒介業、私的通信クラブ、無認可の職業紹介機関。

⑨ 特定の対象に呼び掛ける通信、通知およびこれに類似するもので、内容がその対象だけに関係あるもの。(電波法、公衆電気通信法に触れるもの)但し、人命その他社会的に影響のある場合を除く。

⑩ 金融関係法令に認められていない金融業、利殖業に類するもの。

⑪ 係争中の問題に関する一方的説明。

⑫ 秘密裏に使用するものや、家庭内の話題として、一般に不適当と認められるもの。

⑬ 放送局のアナウンサーの個人的な証言、保証、購入勧誘。

⑭ 商品、サービス内容のいかがわしいもの。

⑮ 学校向けの教育の放送を行う場合において、学校教育の妨げになると認められるもの。

⑯ 私的な秘密事項の調査を業とするもの。

 

(8)取り扱い上、特に注意を要する広告

次に掲げるものは、取り扱い上特に注意する。

① 医薬品、化粧品および保険のコマーシャル・メッセージで「事業法」「医療法」および「保険募集の取締りに関する法律」に触れる恐れのあるもの。

② 疾病に伴う苦痛または病的場面を、視覚的効果や言葉、音響等で不快に描写または劇化しているもの。

③ ある薬品を使えば全治すると言う主張や「安全だ」「危険がない」「無害である」またはそれに類似する意味の言葉の使用。

④ 聴取者を、自ら重病にかかっていると信じさせるような病状の描写。

⑤ 正当でない方法で入手した証言、使用したものの実際の見解でない証言、無記名の証言。

⑥ 食料品のコマーシャル・メッセージで「食品衛生法」などに触れる恐れのあるもの。特に栄養効果等について誇張や虚偽にわたる恐れのあるもの。

⑦ 寄付金の募集。

⑧ 金融業。

⑨ 聴取者が景品または贈呈品の価値を誇大に受け取るような描写。

⑩ 過度に児童の射幸心や購買心をそそるような描写。

⑪ 教育施設または教育事業のコマーシャル・メッセージで進学・就職等の利便について誇張のおそれのあるもの。

⑫ 統計数字、科学的術語、技術文献を引用して実際以上に科学的に見せ掛けている恐れのあるもの。

⑬ 占い、心霊術、骨相、手相の鑑定などに関するもの。

⑭ アマチュア・スポーツ団体の規程に触れるおそれのあるもの。

⑮ 風紀上いかがわしいと認められるもの。

⑯ ギャンブルに関するものは、公営のものを除き、原則取り扱わない。

 

〔備考〕
商業番組またはスポット・アナウンスメントの放送時間について、公正な自由競争に反する独占的利用を認めない。その他原則として「日本民間放送連盟放送基準」による。なお、この放送番組の編成基準は、社内に掲示して一般に周知させる。